いくつかの機器に試してみましたが、総評として言えるのは、S/N改善による弱音再現性と陰影表現力の向上です。
そのため、夜間の小音量再生の質が高まり、深夜でも音楽がより楽しめるようになるのは多くの方にメリットがあると思います。
さて、効果の反映が異なる3つの機器の試聴結果をレポートします。
試聴機器は、アキュフェーズDP-750、C-2850、DELA N1A MK3です。
それぞれの機器のインレット側と、電源供給元のクリーン電源、中村製作所NSIT-2000Plus MK2のコンセント側で使用してみました。
DP-750はコンセント側、インレット側ともに中域の明瞭さが得られ、そのため内声部の楽器の動きがわかりやすく音楽がより深く楽しめるが、音源の高さ、例えば独奏ヴァイオリンの高さが通常よりも30cmほど低くなるのが気になる。
オケものでも通常左右の天井付近で展開する金管楽器もやはりやや低い位置で聞こえてしまうが、この高さが正しい可能性もある。
C-2850での使用は大正解。
あきらかな情報量の増加で音場が拡大し、音像も3D的な立体感が得られるのは最近追求してきたことでありこれはうれしい。
DELA N1A MK3はコンセント側より、インレット側での改善が優れる。
価格なりに十分なノイズ対策が施されていないこともあり、ノイズに起因する音場の見通しの悪さや実体感の希薄さが気になるが、NCF Booster-Brace-Singleを使用すると、これらが改善され、さらに音楽表現のダイナミックレンジが拡大されるので、聴いていて楽しい。
録音の良い音源であればオーディオソースとして十分楽しめるレベルに変わる。
使い勝手において要望があります。機器のコンセント、インレットに使用する場合はテープ接着で固定することになるが、機器側の表面処理によっては接着力が弱くなり、しっかり固定できていないことがあった。接着が外れプラグに乗った不安定な状態になると、中央に位置すべき音像が帯域によって飛び跳ねてしまう現象が生じる事例があった。接着面積の増加、テープ素材の見直しなどの対策をお願いしたい。
クリーン電源側に利用する場合、コンセント間のスペースがよほど広くないと複数のNCF Booster-Brace-Singleは干渉し合うため利用できないのが残念。