MEG <サウンド・プロデューサー>
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<プロフィール>
ラウドロックバンド、ARTEMAでの活動を経て、現在はクリエイター、レコーディングエンジニアを中心とした、トータルサウンドプロデューサーとして活動中。
ポップス、ロック、ダンスミュージック、メタルなど、色々なジャンルをカバーし幅広く活動している。
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[ Studio Power Series The Empire / The Astoria MEG氏コメント ]
■使用機材
・DAW AVID ProTools12.4
・I/O AVID HD I/O, RME Fireface UFX
・AD/DA GRACE DESIGN m904 Mastering Edition(I/OとはAESにて接続)
・Master Clock TASCAM CG-1000 !
・楽器 ESP SNAPPER-CTM FR(EMG66, EMG57)
・マイクプリ Shadow Hills MONO GAMA
・ギターケーブル Belden 8412, ORB J7-Phone pro
・ラインケーブル VOVOX link direct S
FURUTECH社製の電源ケーブルを試すのは実は初めてだったのですが、音を出してみてまず受けた印象は、綺麗に纏まっているというものでした。音質の傾向はどちらかというと柔らかめでウェット、音像は一歩後ろに引いたところから聴こえる印象もありますが、散漫になる事なく程よい距離感でしっかり整理されており、上から下の音域までしっかり再生されている。
The Astoria, The Empire両者共に特徴的で秀逸なのは4kHz~8kHz辺りの高音域で、その帯域が出てる事により、中音、低音が柔らかくても粒立ちの良さを保ち、特にギターなどの艶感が演出されているのだと思います。
今回は主にShadow Hillsマイクプリの電源ケーブルを差し替え、ProToolsにギターを録音し音質比較を行いました。
■The Empireを使用した感想
The Empireは素晴らしいの一言に尽きます。
低音の重心がさらに下にいる事、2kHz~4kHz辺りが抑えめな分アタック感や粘りに引けを取る部分もありますが、全体的なバランスの良さやスムースさ、扱いやすさは抜きに出ていると思います。バランスが良い故にパッと聴き大人しい印象もありますが、後々ミックスを纏める事も考えると、この整理整頓されている部分が活きて来るかもしれません。
倍音の出方や歪み具合も絶妙。これは歪んだ音というよりもアナログに近い音質になると考えて頂いた方がイメージしやすいと思います。根本の音質はクリーンでありながらこの歪み感を演出できているのが本当に素晴らしいのです。
ギターのお話しになってしまいますが、5kHz~8kHz辺りの高音域が出ているケーブルを使用すると、今回の試奏楽器に搭載されているEMGの様なアクティブのピックアップは「カチカチ」という弦やフレットから来る高音域のノイズが目立ってしまいがちなのです。The Empireはそのノイズが出づらく抑えつつも高音域の艶感をしっかり出せるので、高音域の整理整頓が秀逸なのだと確信させられました。
ギター以外にもPCやマスタークロックなどのデジタル機材にも使用してみましたが、こちらの使用感も素晴らしく、レンジが広がり全体が見渡しやすくなり、定位もはっきりするのでどの位置にどの楽器がいるのか非常に分かりやすい。双方の相乗効果により、地に足が付いた重心を持ちつつクリアな音像という、見事に良いとこ取りなバランスを実現させているのです。
アナログソースでもデジタルソースでも、何にでも扱いやすく音質も良い。
音楽制作において一本持っていると必ず使える、素晴らしい完成度を誇る電源ケーブルです。
■The Astoriaを使用した感想
The AstoriaもやはりFURUTECHの特徴が活かされている音質。特に高音域の出方はさすがです。
The Empireに比べ更に歪み感がある印象ですが、音の出方もスムースで引っかかりも無く扱いやすいケーブルだと思います。強いて言えばThe Astoriaは低音成分が少なく尻窄みな印象があり、人によっては芯が細いと思うかも知れません。しかしThe Empireよりも中音が強く出る分粘りもあり、倍音や歪み感も強いので、低音をあまり必要としない音作りのギター、ベースのスラップ、ちょっとドライブさせたボーカルやシンバルなどのレコーディングにも使いやすいと思います。
The AstoriaはThe Empireに比べ扱うソースは選ぶかもしれませんが、ドンピシャにはまった時は素晴らしいポテンシャルを発揮するケーブルだと思います。